フランケンの部屋(起業・会社経営)

フランス・ドイツ(海外)と日本の商慣習の違い(3)

海外販売

こんにちは、フランケンです。

パリやその近郊の15県、ニースの1県で再び外出制限が強化され

1週間ほどが経ちました。

このコロナウイルスの感染拡大はいつまで続くのでしょうか。。。

 

それでもビジネスは止まることはありません。

この時期だからこそ将来の海外への進出、販売を視野に準備をしていきましょう!

 

さて前回の「フランス・ドイツ(海外)と日本の商慣習の違い(2)」では

排他的契約を中心にお話ししてきましたが

今回の第3回は長く海外での販売を継続するためにとても重要な

値決め”を中心に日本と海外での商慣習の違いをお話しさせて頂きます。

 

値決めは経営

京セラの創業者でJALの再建に携わった稲盛和夫さんが

仰っている言葉「値決めは経営

これは海外で販売するだけでなく、日本、世界で共通のとても重要な

要素だと考えています。

ここでは海外での販売における値決めについて掘り下げていきます。

 

自社の立ち位置と相手国の状況を理解する

あなたは法人ですか?個人ですか?

メーカーですか?商社ですか?

あなたの立場がどんな状況でも海外に商品を販売することは可能です。

 

あなたがメーカーであれば価格競争力はもちろん

製品の理解度が高く、精度の高い提案をできることでしょう。

 

あなたが商社であれば、1つや2つの商品ではなく複数の商品・複数のメーカーの

商品を販売できるといった優位性があることでしょう。

 

あなたが個人(エージェント)であればさらに自由な営業活動が可能になるでしょう。

 

大事なことは自分のポジションを最大限に生かし

相手のポジションをしっかりと理解して値決めをすることです。

 

海外販売での間違った値決めとは?

日本で300円で売られている製品Aがあるとします。

仮に現在の為替相場が1ユーロ100円だとしたら

フランスやドイツで3ユーロなら売れると思ってしまうのではないでしょうか?

 

実はこの数字はほとんど当てになりません。

ヨーロッパのコンシューマーは必要なもの、価値のあるものには

しっかりとお金を払います。

 

仮に日本で300円で売られているものを

ヨーロッパで2ユーロ(200円相当)で販売しても

売れない場合が多くあります。

 

逆に日本で300円で売られているものを

ヨーロッパで2倍の6ユーロ(600円相当)で販売しても

売れる物は売れます。

 

つまりその製品とその国の状況を見て値決めをする事が大事なのです。

 

全体を見据えた値決めとは?

先の図でもあるようにあなたがメーカーであるのか

あなたが商社であるのか、個人(エージェント)であるのかによって

製品を仕入れられる金額が違います。

 

これは販売を目指す相手国でも同じ事です。

相手がメーカーや問屋の立ち位置の会社なのか

販売店や商社なのか、個人コンシューマーなのかによって

購入できる金額が違います。

 

これを理解せずに値決めをすると

自分や相手の立ち位置を考慮せず

自分の「仕入値」+「国際輸送経費」+「日本と同等の利益」=「販売価格」

と単純な値決めになってしまいます。

 

これでは海外で長く販売することはできません。

大事なのは日本の常識に囚われず、現地のそれぞれの立ち位置の人が

いくらであれば購入してくれるのかをしっかりと考えることです。

 

もしあなたが商社の立ち位置だとして

現地の市場調査をした結果、今の仕入値では難しいということであれば

メーカーに価格の交渉をする必要があります。

もしその価格に協力してくれない、したくても出来ないレベルであれば

大変残念ではありますが、その商品の海外販売は諦めた方が良いでしょう。

 

将来的な市場の独占を考えると、その商品は広まらない

現時点で販売を目指す国でスタンダードになっていない商品をこれから販売する際

「導入期に一番労力とお金の掛かる認知PR活動を行うのだから、どこよりも安く売って他製品を近づけない」

そんな思いで、最大限値段を下げて売ろうとする会社もあるかもしれません。

 

ただ、市場を形成するには競合は不可欠です。

そういう意味で他社が入り込める隙のある価格設定をする事が重要です。

 

「これは売っても儲からない」「入り込む隙がない」と競合が思ってしまえば

その競合品が出てくることはなく、市場自体も広がらず

結果商売と呼べるほどの売り上げを作る事は難しくなるでしょう。

 

価格で勝負する値決めを導入期からするのではなく

将来の競合の到来を見据えて、情報力や戦略、商品力を磨く事が最も重要な事です。

 

まとめ

日本では全国どこに行ってもコンビニで売られている飲み物の金額は

銘柄が同じであればほとんど大差がありません。

でもフランスやドイツなど海外ではびっくりするほど違うことがあります。

 

日本の常識に囚われず、値決めをすることがとても大事です。

 

また長く海外での販売を続けたいのであれば

欲張らずに競合の参入を歓迎し、価格ではない部分での勝負が重要です。

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